外国人社員・駐在員の確定申告 必要書類・期限チェックリスト【2026年版】
外国人社員・駐在員の確定申告 必要書類・期限チェックリスト【2026年版】
「誰が・いつ・何を」申告するのか。人事・給与・経理の担当者が外国籍社員・駐在員の確定申告で迷わないための、申告要否の早見表・年間期限カレンダー・必要書類チェックリストを、令和7年分(2026年提出)の正確な期限に沿ってまとめました。稟議・社内マニュアルにそのまま使える具体性を重視しています。
最終更新日:2026年7月3日
窓口対応だけでなく実務作業まで、BIG4出身のパートナー税理士が直接担当。ヒアリング〜書類作成〜e-Tax申告〜英語でのやり取りまで、まるごとお引き受けします。人事のご負担を最小限に。
確定申告が必要なのは誰か(申告要否の早見表)
外国籍社員の確定申告の要否は、まず居住形態(居住者・非永住者・非居住者)の区分で決まり、次に所得の種類で確定します。この区分を誤ると源泉徴収額そのものが変わり、年末調整・確定申告の双方に波及するため、赴任時・年初の早い段階での確認が重要です。判定の詳細は 非永住者の課税 で解説していますが、実務上は次の早見表で当たりをつけると効率的です。
ポイントは、会社の年末調整だけで課税関係が完結するケースは限定的だという点です。海外本社からの国外払い給与、RSU・ストックオプションなどの株式報酬、期中赴任・期中帰任のいずれかがあれば、年末調整の対象外部分について本人の確定申告が必要になります。自社の駐在員がどのケースに当てはまるか整理がつかない場合は、リスク診断ツールで数分の確認から始められます。
年間 期限カレンダー(令和7年分・2026年)
外国籍社員の税務は、会社側の提出義務と本人側の申告が年間を通じて交互に発生します。令和7年分(2026年に手続する分)の主要な期限を一枚に整理しました。期限が土日にあたる場合は翌開庁日となる点に注意してください。
各期限の要点は次のとおりです。日付はいずれも令和7年分(2026年手続分)の実際の期限です。
- 1月31日:給与支払報告書・法定調書合計表の提出(会社) — 給与支払報告書は各市区町村へ、法定調書合計表・源泉徴収票は所轄税務署へ提出します。令和7年分は1月31日が土曜のため、実際の提出期限は2026年2月2日(月)です。なぜ重要か:源泉徴収票の交付が本人の確定申告の起点になるためです。
- 1月1日〜:還付申告が可能(本人) — 還付申告は確定申告期間を待たず1月1日から提出でき、その年の翌年から5年間提出できます。なぜ重要か:年の途中入社で年末調整未了の社員などは、早期に還付を受けられます。
- 2月16日(月)〜3月16日(月):所得税の確定申告・納付(本人) — 令和7年分の申告期間です。3月15日が日曜のため、期限は翌開庁日の3月16日(月)になります。なぜ重要か:納付も同日が期限で、遅れると延滞税・加算税の対象です。
- 2月2日(月)〜3月16日(月):贈与税の申告・納付(該当者) — 令和7年分の贈与税の申告期間です。なぜ重要か:海外からの送金・株式贈与などがある社員は所得税と別に申告が必要な場合があります。
- 3月31日:外国親会社株式報酬の調書の提出(会社) — 外国親会社等が国内の役員・従業員に供与した経済的利益(RSU・SO等)に関する調書は、供与等があった日の属する年の翌年3月31日が提出期限です。なぜ重要か:提出義務は日本子会社・支店にあり、本人の申告漏れとあわせて税務調査で指摘されやすい論点です。詳細は RSUの課税 を参照してください。
- 6月30日:国外財産調書・財産債務調書の提出(本人・該当者) — 令和5年分以後、提出期限は従来の3月15日から翌年6月30日に変更されています。国外財産調書は、その年12月31日時点で国外財産の合計額が5,000万円を超える居住者(非永住者を除く)が対象です。なぜ重要か:不提出・虚偽記載には加算税の加重・罰則があります。
- 11〜12月:年末調整(会社) — 国内払い給与について実施します。なぜ重要か:国外払い給与・株式報酬は年末調整の対象外で、ここで完結しない部分が翌年の確定申告に回ります。
必要書類チェックリスト(本人/会社)
必要書類は「本人が用意するもの」と「会社(人事・経理)が用意するもの」に分けて把握すると、課税範囲の判定漏れを防げます。各書類には「なぜ必要か」を添えました。
本人が用意するもの
- □ 在留カード(在留資格・在留期間)… なぜ必要か:居住形態の判定と本人確認の基礎資料になります。
- □ マイナンバー(個人番号)… なぜ必要か:申告書・法定調書に記載が求められます。
- □ 源泉徴収票(国内給与)… なぜ必要か:国内払い給与と源泉徴収税額を確定申告に取り込む起点です。
- □ 国外払い給与の支払証明・給与明細(国外払いがある場合)… なぜ必要か:年末調整の対象外で、確定申告で申告すべき所得を特定するためです。詳細は 給与・源泉・年末調整 を参照してください。
- □ 株式報酬(RSU/SO)の付与・権利確定(ベスティング)・売却の記録… なぜ必要か:付与・権利確定・売却の各時点で課税関係が異なり、記録がないと所得計算ができません。
- □ 国外財産・国外口座の残高がわかる資料(該当者)… なぜ必要か:合計5,000万円超なら国外財産調書の提出義務が生じます。
- □ 各種控除証明書(保険料・寄附金・住宅ローン等)… なぜ必要か:所得控除・税額控除の適用に必要です。
会社(人事・経理)が用意するもの
- □ 給与台帳(国内払い・国外払いの内訳)… なぜ必要か:課税範囲を国内・国外で切り分ける最重要資料です。
- □ 源泉徴収簿・年末調整関係書類… なぜ必要か:源泉徴収税額の突合と、年末調整で完結した範囲の確認に使います。
- □ タックスイコライゼーション(TEQ)/グロスアップ契約の条件… なぜ必要か:会社負担税の課税要否を判定する前提になります。仕組みは グロスアップ計算 を参照してください。
- □ 赴任・帰任の発令日、在留資格変更・更新の記録… なぜ必要か:居住形態の切替日を確定し、出国時の手続要否を判断するためです。出国・帰任の税務 もあわせて確認してください。
会社(人事・経理)がやるべきこと
外国籍社員の場合、会社の年末調整だけで課税関係が完結しないケースが多い点が国内社員との最大の違いです。国外払い給与・株式報酬・期中赴任などは年末調整の対象外となり、本人の確定申告が必要になります。人事・経理としては、次の三点を年初の段階で押さえておくと後戻りが減ります。
- 対象者の洗い出し:早見表に照らし、確定申告が必要な社員をリスト化します。国外払い給与・RSU・期中赴任者は要注意です。
- 書類の一括手配:会社側書類(給与台帳の内訳・TEQ条件・発令日)を対象者分まとめて整えると、本人・税理士とのやり取りが一往復で済みます。
- 調書の提出:外国親会社株式報酬の調書(翌年3月31日)は失念しやすい会社側義務です。対象者がいれば期限をカレンダーに固定します。
複数の駐在員・外国籍社員を抱える場合は、判定・書類手配・調書提出をまとめて専門家に委託することで、人事の確認負担と判定ミスを大きく減らせます。全社的な体制づくりは 体制構築 でも解説しています。
よくある質問
Q. 外国人社員の確定申告は会社が代行できますか?
会社が本人に代わって申告書を提出することはできませんが、会社契約で税理士が本人の申告をサポートする形が一般的です。会社が費用を負担し、税理士が本人の書類回収から申告書作成までを行います。複数の駐在員をまとめて依頼することも可能です。
Q. 英語での対応はできますか?
対応可能です。ESPERANZA CONSULTING GROUP はBIG4出身の税理士を中心としたチームで、英語・中国語での確定申告サポートに対応しています。社員本人とのやり取りも外国語で完結できます。
Q. 複数名を一括で依頼できますか?費用はどのくらいですか?
複数名の一括依頼に対応しています。外国籍社員の確定申告代行は、申告内容の複雑さ(国外払い給与・株式報酬の有無など)に応じた区分制で、人数・内容により総額を個別にお見積りします。料金の詳細は確定申告代行のページをご覧ください。
Q. まず1件だけ相談したい場合は?
スポット相談をご利用いただけます。個別ケースの申告要否の確認から始められ、料金はスポット相談ページに掲載しています。
まとめ
外国籍社員・駐在員の確定申告は、①居住形態と所得で申告要否を判定し、②年間の期限を会社側・本人側で把握し、③必要書類を双方で漏れなく揃える——この3ステップで大半の実務が回ります。特に、国外払い給与・株式報酬・期中赴任者は年末調整だけで完結せず本人の確定申告が必要になる点、そして外国親会社株式報酬の調書(翌年3月31日)・国外財産調書(翌年6月30日)といった会社側・本人側の期限が所得税の申告期限とずれる点が、実務での落とし穴になりやすい箇所です。全体像は 完全ガイド で体系的に確認できます。


