外国籍社員の出国・帰任時の税務手続き|納税管理人・住民税・退職金の選択課税
外国籍社員の出国・帰任時の税務手続き|納税管理人・住民税・退職金の選択課税
退職日が決まってからでは間に合わない手続きがあります。出国時年末調整、納税管理人、住民税の一括徴収、退職金の選択課税——人事・給与担当者が出国日から逆算して進める実務を整理します。
最終更新日:2026年7月3日
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01出国による居住者区分の変更と課税への影響
本記事の範囲:本記事は「日本からの出国」(退職して本国・第三国へ転出するケース)を扱います。海外赴任を終えて日本へ戻る「帰任」は論点が異なるため、外国人駐在員の帰任・退職の税務ガイドをご覧ください。
外国籍社員が日本を出国すると、所得税法上の区分が出国日を境に「居住者」から「非居住者」へ変わります。課税範囲・税率・控除・年末調整の可否がすべて変わるため、給与計算と源泉徴収の実務は出国日を基準に組み立て直す必要があります。
居住者と非居住者で何が変わるのか
| 項目 | 居住者(出国前) | 非居住者(出国後) |
|---|---|---|
| 課税範囲 | 全世界所得(非永住者は一部制限) | 国内源泉所得のみ |
| 所得税率 | 累進課税(5〜45%) | 給与・退職金は原則20.42%源泉分離 |
| 所得控除 | 各種控除適用可 | 原則適用なし |
| 年末調整 | 対象(出国時に前倒しで実施) | 対象外 |
| 住民税 | 前年所得に対し翌年度課税 | 賦課期日(1月1日)に国内住所がなければ翌年度は非課税 |
重要なのは、出国日を境にその年の所得が「居住者期間分」と「非居住者期間分」に分かれ、別のルールで課税される点です。出国前の給与は累進課税のまま出国時年末調整で精算し、出国後に支払う給与・賞与は国内勤務期間対応分だけが国内源泉所得として20.42%(所得税20%+復興特別所得税0.42%)の源泉徴収の対象になります。出国前の課税範囲の詳細は非永住者の課税範囲と送金課税をご覧ください。
02出国時の年末調整と準確定申告——精算方法は2通り
出国する社員の所得税の精算方法は、所得の内容によって2つに分かれます。給与所得のみの社員は「出国時の年末調整」で完結し、それ以外の所得がある社員は出国前の確定申告(いわゆる準確定申告)が必要です。
出国時の年末調整——給与のみの社員はここで完結
その年の1月1日から出国日までに支払われた給与については、通常の12月ではなく出国時に年末調整を行います。扶養控除・配偶者控除は出国時の現況で判定して全額(月割りなし)を適用し、社会保険料控除・生命保険料控除は出国日までに支払った金額を対象とします。
給与所得のみで他に所得がない社員は、この出国時年末調整で日本の所得税の課税関係が完結するため、準確定申告は不要です。出国月の給与計算に年末調整処理を組み込む運用が実務の第一歩です。
準確定申告が必要になるケース
- 給与以外の所得がある場合——権利確定(ベスティング)したRSU、ストックオプション行使益、不動産所得等
- 2か所以上から給与を受けている場合
- 給与収入が2,000万円を超える場合(年末調整の対象外)
- 医療費控除・寄附金控除等で還付を受けたい場合
- 国外転出時課税(出国税)の対象となる場合(第7章参照)
期限は原則として出国の時までです(所得税法第126条・第127条)。ただし、出国前に納税管理人の届出を行っていれば税法上の「出国」に該当しなくなるため、申告期限は通常どおり翌年3月15日となります。e-Taxは出国前なら本人のマイナンバーカード方式で送信可能です。出国後の手続きは納税管理人経由となるため、出国前の提出か税理士への確実な引継ぎが安全です。
HRが準備すべき書類(出国2〜3週間前まで)
- 給与所得の源泉徴収票(1月1日〜退職日分)——HR・経理
- 退職所得の源泉徴収票(退職金支給時)——HR・経理
- 社会保険料の年間支払額資料——HR・経理
- RSU・ストックオプション関連資料(付与日・権利確定日・時価等)——HR+本社報酬部門
03納税管理人の選任と届出——出国後の税務対応の「代理人」
出国した社員は日本国内での税務手続きを自ら行えなくなるため、出国前に「納税管理人」を選任し、税務署に届出を提出する必要があります(国税通則法第117条)。
納税管理人とは何か
納税管理人とは、本人に代わって日本国内で税務書類の受領・申告書の提出・納税・還付金の受領等を行う者です。個人でも法人でも選任できますが、出国後の還付申告や退職金の選択課税(第5章)まで見据えると、税理士を納税管理人に指定するのが最も確実です。
個人(日本在住の知人・親族)、または法人(税理士事務所)を選定。推奨:税理士事務所
「所得税・消費税の納税管理人の届出書」を所轄税務署に提出。住民税は別途市区町村にも届出。提出期限:出国日まで(2週間前までを推奨)
年の途中で出国 → 出国日までの所得について申告が必要か確認。納税管理人を選任すれば翌年3月15日期限で納税管理人が代理申告できる。
届出の手順
- 「所得税・消費税の納税管理人の届出書」を入手(国税庁サイトからダウンロード可。e-Taxでの提出にも対応)
- 本人と納税管理人がそれぞれ署名(令和3年4月1日以降、税務関係書類の押印義務は廃止されており押印は不要)
- 出国前に、本人の納税地を管轄する税務署に提出
- 住民税についても、市区町村ごとの様式(納税管理人申告書・承認申請書)を別途市区町村に提出
⚠ 注意:納税管理人の届出を行わずに出国すると、税務署からの通知が本人に届かず、延滞税・加算税が累積するリスクがあります。未納があると納税証明書が取得できず、将来の再入国や在留資格の審査に影響することもあります(詳細はビザ更新と納税証明の関係)。退職チェックリストに「納税管理人届出の提出確認」を必ず組み込んでください。
04住民税の一括徴収——出国前に未納分を精算する
住民税は前年の所得に対して、翌年6月から翌々年5月にかけて特別徴収(給与天引き)されます。外国籍社員が年度の途中で退職・出国する場合、残りの住民税を最終給与または退職金から一括徴収するのが原則的な対応です。
退職時期で変わる一括徴収の要否
| 退職時期 | 対応 |
|---|---|
| 6月1日〜12月31日退職 | 本人の申出があれば一括徴収(申出がなければ普通徴収へ切替)。出国する外国籍社員には一括徴収を強く推奨 |
| 翌年1月1日〜4月30日退職 | 残りの住民税を必ず一括徴収(地方税法第321条の5第2項による義務) |
| 5月退職 | 年度の残額は5月分のみのため、最終給与から通常どおり徴収して完了 |
手続様式と期限
一括徴収・普通徴収への切替いずれの場合も、「給与支払報告・特別徴収に係る給与所得者異動届出書」を退職月の翌月10日までに、社員の1月1日時点の住所地の市区町村へ提出します(eLTAXでの電子提出が可能)。
賦課期日(1月1日)と出国日の関係
住民税は1月1日時点で国内に住所があるかで翌年度の課税が決まります。12月中に出国して1月1日に国内住所がなければ、前年の所得に対する翌年度の住民税は課されません。逆に1月2日以降の出国では、翌年6月から始まる住民税が丸々課税されます。この分は一括徴収できないため、市区町村へ届け出た納税管理人を通じて納付します。年末年始をまたぐ出国では、この1日の差が数十万円の負担差になり得ることを本人に説明してください。
実務上の注意:出国が確定している社員を普通徴収へ切り替えても、本人は出国済みで納付書を受け取れず、未納が発生します。最終給与から差し引けない場合は退職金からの控除も検討してください。自社の対応漏れを一度に点検したい場合は、外国籍社員の税務対応 簡易リスク診断ツールをご利用ください。
05退職金の課税——居住者・非居住者・退職所得の選択課税
退職金は、支払を受ける時点で居住者か非居住者かによって課税の仕組みが根本的に変わります。同じ勤続20年・退職金1,500万円でも、源泉徴収税額に約10倍の差が生じるため、支給日の設計と手続きの案内はHRの重要業務です。
居住者に支払う場合——退職所得控除と2分の1課税
出国前(居住者のうち)に支払う退職金は、退職所得控除を差し引いた残額の2分の1に対して累進税率を適用する分離課税です。退職所得控除は勤続20年以下の部分が1年あたり40万円、20年超の部分が1年あたり70万円です。
【計算例】勤続20年・退職金1,500万円の場合
退職所得控除:40万円×20年=800万円
課税退職所得:(1,500万円−800万円)×1/2=350万円
源泉徴収税額(所得税・復興特別所得税):約27.8万円(350万円×20%−42.75万円、復興税込278,222円)
住民税(約35万円)を合わせても合計約63万円です。
なお、令和4年分以後は勤続5年以下の「短期退職手当等」について、退職所得控除後300万円を超える部分に2分の1課税が適用されません。外国籍社員は勤続が短いケースが多いため、この特例への該当有無を先に確認してください。
「退職所得の受給に関する申告書」の提出を必ず確認
居住者への退職金でも、「退職所得の受給に関する申告書」の提出有無で源泉徴収税額に大きな差が出ます。
申告書あり → 適正税率
勤続年数に応じた退職所得控除+2分の1課税を適用。例:勤続20年・退職金1,500万円 → 源泉税額約28万円
申告書なし → 20.42%一律
退職所得控除が適用されず支払額全体に20.42%。例:同条件 → 源泉税額約306万円
源泉段階の差額:約278万円
申告書なしの場合も本人の確定申告で精算できますが、出国後の申告は負担が大きいため、HRは支給前に必ず提出を確認してください。
非居住者に支払う場合——国内勤務期間対応分に20.42%
出国後(非居住者になってから)に支払う退職金は、退職所得控除も2分の1課税も適用されず、勤続期間のうち国内勤務期間(厳密には居住者であった期間に行った勤務)に対応する部分が国内源泉所得として20.42%の源泉徴収の対象になります(所得税法第161条第1項第12号ハ)。日本勤務のみの外国籍社員では両者は一致しますが、居住者のまま海外出張・出向していた期間がある場合は「居住者であった期間」を基準に按分する点に注意してください。
【計算例】勤続20年(すべて国内勤務)・退職金1,500万円を出国後に支給した場合
1,500万円×20.42%=約306万円が源泉徴収され、居住者として受け取った場合(約28万円)との差は約278万円にのぼります。
退職所得の選択課税——約278万円を取り戻す還付制度
この不利を救済するのが「退職所得の選択課税」(所得税法第171条)です。非居住者が退職金の支払を受けた場合、居住者として受け取ったものとみなして退職所得控除+2分の1課税で税額を計算し直すことを選択でき、源泉徴収された20.42%との差額の還付を請求できます(同法第173条)。上記の例では約278万円の還付可能性があります。
- 申告時期:退職金の支払を受けた年の翌年1月1日以降(同日までにその年の退職手当等の総額が確定している場合は、その確定した日以降)に還付申告が可能
- 提出方法:納税管理人を通じて本人の納税地の所轄税務署に申告書を提出
- 注意点:選択課税では基礎控除・扶養控除等の所得控除は適用されません。また「退職所得の受給に関する申告書」の提出有無にかかわらず選択できます
実務上は、退職金の支給日を出国前(居住者期間中)に設定できれば源泉段階で完結し、選択課税の手続き自体が不要になります。支給日の調整可否を退職合意の段階で経理と協議してください。
06出国後に支払う給与・賞与の按分と20.42%源泉徴収
出国後に支給日が到来する給与・賞与は、計算期間のうち国内勤務期間に対応する部分だけが国内源泉所得となり、20.42%の源泉分離課税で完結します(年末調整・確定申告は不要)。按分は計算期間の日数比で行います。
【簡易例】4月30日出国、7月10日支給の賞与100万円(計算期間:1月1日〜6月30日の6か月)
国内勤務期間は1月〜4月の4か月 → 国内源泉所得は100万円×4/6=約66.7万円 → 源泉徴収税額は66.7万円×20.42%=約13.6万円。残りの約33.3万円(出国後の期間対応分)は国外源泉所得となり、日本では課税されません。
月例給与については、計算期間が1か月以下の給与は、その全額が国内勤務に対応するものでない限り課税しなくて差し支えないとする取扱いがあります(所得税基本通達212-5)。一方、内国法人の役員に支払う報酬は、国外勤務分も含めて原則全額が国内源泉所得として20.42%の対象になる点に注意が必要です。
出国後に権利確定するRSUも同様に、付与から権利確定までの期間のうち国内勤務期間分が按分課税されます。詳細はRSU・株式報酬の課税とHR実務をご覧ください。
07国外転出時課税(出国税)——就労ビザの在留期間は対象外
国外転出時課税(出国税)は、一定の要件を満たす個人が出国する際に、保有する有価証券等の含み益に対して未実現でも所得税を課す制度です(所得税法第60条の2、2015年7月1日以後の国外転出に適用)。
対象要件(2つとも満たす場合に適用)
- 対象資産の合計額が1億円以上:株式・投資信託等の有価証券、未決済デリバティブ取引等の時価合計
- 国外転出前10年以内に国内在住期間が合計5年超
決定的な例外——就労ビザの在留期間はカウントされない
外国籍社員にとって決定的に重要なのが、上記2の「5年超」の判定において、出入国管理及び難民認定法別表第一の在留資格——「技術・人文知識・国際業務」「企業内転勤」「経営・管理」「高度専門職」などの就労系在留資格——で在留していた期間は国内在住期間から除外されるという特例です(所得税法施行令第170条第3項)。
つまり、就労ビザのみで日本に滞在してきた外国籍社員は、保有資産が1億円を超えていても原則として出国税の対象になりません。一方、「永住者」「日本人の配偶者等」など別表第二の在留資格で在留していた期間はカウントされるため、永住権取得から5年超が経過した社員などは対象になり得ます。
したがって退職面談では、資産額のヒアリングより先に在留資格の履歴(いつから永住者か)を確認するのが効率的です。資産の質問はセンシティブですが、在留資格の履歴は人事記録から確認でき、これだけで大半の社員を対象外と判定できます。
該当する場合の手続き
対象となる場合の申告期限は、納税管理人の届出をせずに出国するときは出国の時まで(出国前の準確定申告に含める)、届出をしたときは翌年3月15日までです。納税猶予(原則5年・届出により最長10年)を受けるには、期限内申告に加えて納税管理人の届出と担保の提供が必要です。該当可能性がある社員は、必ず出国90日前までに税理士へ引き継いでください。
08HR対応タイムライン——出国90日前から逆算する
起点は「出国日」です。90日前に着手すれば、ここまでの手続きをすべて余裕をもって消化できます。
実行主体の目安は、90〜60日前がHR+社員(税理士への相談開始)、30日前〜最終給与日がHR・経理+税理士、出国後が経理+税理士(納税管理人)です。最終給与日には社会保険の資格喪失届もあわせて処理し、出国後は給与所得者異動届出書の提出(翌月10日まで)と20.42%源泉、翌年1月以降の選択課税の還付申告へと引き継ぎます。
09出国時によくある税務上の失敗パターン
失敗①:住民税の一括徴収を忘れる
普通徴収へ切り替えたが、本人は出国済みで納付書を受け取れない。滞納扱いとなり、市区町村からの督促が会社に届き続ける。
失敗②:納税管理人を選任しないまま出国させる
出国後に還付申告や選択課税の手続きができず、還付金を受け取れないまま還付請求権の時効(5年)を迎える。
失敗③:出国後の賞与に居住者と同じ税率を適用する
本来は国内勤務期間対応分に20.42%を適用すべきところ甲欄・乙欄で源泉徴収してしまい、税務調査で源泉徴収漏れ(不納付加算税・延滞税)を指摘される。
失敗④:退職金の選択課税を案内しない
出国後支給の退職金から約306万円を源泉徴収したまま還付制度(本例で約278万円)を案内せず、後日本人とトラブルになる。
失敗⑤:永住者を取得した社員の出国税を見落とす
「就労ビザなら対象外」という理解のまま、数年前に永住者へ変更していた社員のRSU・自社株(時価1億円超)を確認せず出国させ、申告漏れが後日発覚する。
10まとめ——出国前の「4つの必須対応」
外国籍社員の出国時にHRが最低限押さえるべきポイントは、次の4つに集約されます。
- 出国時年末調整または準確定申告:給与のみの社員は出国時の年末調整で完結。給与以外の所得がある社員は出国の時まで(納税管理人選任時は翌年3月15日まで)に申告
- 納税管理人の選任と届出:「所得税・消費税の納税管理人の届出書」を出国前に税務署へ、住民税分は市区町村へ提出。署名のみで押印は不要
- 住民税の一括徴収:最終給与または退職金から未納分を確実に控除し、給与所得者異動届出書を翌月10日までに提出
- 退職金の支給タイミング設計と選択課税の案内:可能なら出国前支給で源泉段階の完結を図り、出国後支給なら選択課税(所得税法第171条)の還付申告を案内
これらは一つでも漏れると出国後のリカバリーが極めて難しくなります。出国税の対象判定は資産額より先に在留資格の履歴確認から——この順序を退職面談の標準手順にし、出国日から逆算した90日スケジュールで税理士と連携してください。
よくある質問
Q. 就労ビザの外国籍社員も国外転出時課税(出国税)の対象になりますか?
原則として対象外です。出国税は「対象資産の合計額が1億円以上」かつ「国外転出前10年以内に国内在住期間が合計5年超」の両方を満たす人に課されますが、「技術・人文知識・国際業務」「企業内転勤」「経営・管理」「高度専門職」など出入国管理及び難民認定法別表第一の在留資格で在留していた期間は、この5年超の判定から除外されます(所得税法施行令第170条第3項)。そのため就労ビザのみで滞在してきた社員は、保有資産が1億円を超えていても原則として対象になりません。一方、「永住者」「日本人の配偶者等」など別表第二の在留資格の期間はカウントされるため、永住取得から5年超が経過した社員などは対象になり得ます。
Q. 出国後に支払う退職金から源泉徴収された税金は取り戻せますか?
「退職所得の選択課税」(所得税法第171条)を選択すれば、還付を受けられる可能性があります。非居住者が受け取る退職金は退職所得控除も2分の1課税も適用されず、国内勤務期間対応分に20.42%が源泉徴収されますが、居住者として受け取ったものとみなして計算し直し、源泉徴収額との差額の還付を請求できます。支払を受けた年の翌年1月1日以降に、納税管理人を通じて本人の納税地の所轄税務署へ還付申告します。
Q. 出国する社員に納税管理人は必ず必要ですか?
出国後も日本での申告・納税・還付金の受領が残る場合は選任が必要です。「所得税・消費税の納税管理人の届出書」を出国前に税務署へ提出すれば、準確定申告の期限が出国時から翌年3月15日に延び、出国後の還付申告や退職金の選択課税も代理で行えます。届出をせずに出国すると税務署からの通知が本人に届かず、延滞税・加算税が累積するおそれがあります。住民税分は市区町村へ別途届け出ます。
Q. 年末に出国すると住民税はどう変わりますか?
住民税は1月1日時点で国内に住所があるかで翌年度の課税が決まります。12月中に出国して1月1日に国内住所がなければ前年所得に対する翌年度の住民税は課されませんが、1月2日以降の出国では翌年6月からの住民税が丸々課税されます。年末年始をまたぐ出国では、この1日の差が大きな負担差になり得ます。
公認会計士・税理士・行政書士 山口 淳也/ ESPERANZA CONSULTING GROUP 代表
日本および海外のBIG4監査法人・税理士法人・FAS(ファイナンシャルアドバイザリー)にて、クロスボーダー税務・M&A・海外進出支援・国家プロジェクトなどの実務に従事。セミナー登壇多数。税務・会計・法務の専門的観点から、企業のグローバル展開や経営課題を多面的にサポート。


