算定基礎届(定時決定)とは?社会保険料が決まる仕組みと届出のポイント【令和8年度対応】

労務・社会保険

算定基礎届(定時決定)とは?
社会保険料が決まる仕組みと届出のポイント

毎年7月になると届く「算定基礎届」。労働保険の年度更新と時期が重なるため混同されがちですが、こちらは健康保険と厚生年金保険の手続きです。この記事では、算定基礎届の仕組みから令和8年度の保険料率まで解説します。

01算定基礎届とは

算定基礎届は、健康保険料と厚生年金保険料の基準となる「標準報酬月額」を毎年見直すための届出です(定時決定)。4月〜6月の給与の平均額をもとに、9月から翌年8月までの標準報酬月額を決定します。

02標準報酬月額の仕組み

社会保険料は「標準報酬月額」という等級に当てはめて計算します。月給29万円でも31万円でも同じ等級(30万円)なら保険料は同額です。

等級の範囲

  • 健康保険:第1等級(5万8千円)〜第50等級(139万円)※協会けんぽの場合
  • 厚生年金:第1等級(8万8千円)〜第32等級(65万円)

03届出の対象者

7月1日時点の全被保険者および70歳以上被用者が対象です。

対象外:

  • 6月1日以降に資格取得した方
  • 7月改定の月額変更届を提出する方
  • 8月・9月に随時改定が予定されている方

04届出のスケジュールと提出先

届出期間は7月1日〜7月10日。提出先は管轄の年金事務所。e-GovまたはGビズIDでの電子申請も可能です。

  • 6月中旬〜下旬:届出用紙が届く
  • 6月中:4〜6月の給与データ集計
  • 9月:新しい標準報酬月額が適用(保険料は通常10月給与から反映)

05経営者がやること

社労士に依頼している場合は、4〜6月の給与総支給額(通勤手当含む)と支払基礎日数を共有するだけです。通勤手当も報酬に含まれる点に注意。4〜6月の残業が多いと保険料が上がる可能性があります。

06令和8年度の保険料率

健康保険料率(協会けんぽ)

  • 東京都:9.85%(前年度9.91%から引き下げ)
  • 全国平均:9.9% 会社と従業員で折半

介護保険料率

全国一律1.62%(40歳〜65歳未満が対象)

子ども・子育て支援金率(令和8年度新設)

全国一律0.23%(R8年4月分から徴収開始)

厚生年金保険料率

全国一律18.3%で固定(H29.9月〜)。折半で各9.15%。

保険料の目安

東京都・標準報酬月額30万円の場合、会社負担は月約4.5万円(介護保険込み。40歳未満は約4.3万円)。

07年度更新との違い

年度更新算定基礎届
対象労災+雇用保険健保+厚生年金
期間6/1〜7/107/1〜7/10
提出先労基署等年金事務所
計算基礎前年度賃金総額4〜6月給与平均
両方とも7月10日が期限ですが、対象保険・提出先・計算方法が異なります

08よくある質問

Q. 届出しないとどうなる?

年金事務所が職権決定します。

Q. 残業が多いと保険料が上がる?

はい。年間平均での申立ても可能です。

Q. 役員も対象?

はい。社会保険は役員も加入対象です。

Q. パートも対象?

社保加入要件(51人以上企業で週20h以上等)を満たしていれば対象。

Q. 子育て支援金とは?

R8年4月から新設。全国一律0.23%、健保料と一緒に徴収。

参考リンク

山口 淳也
この記事の監修

公認会計士・税理士・行政書士 山口 淳也/ ESPERANZA CONSULTING GROUP 代表

日本および海外のBIG4監査法人・税理士法人・FAS(ファイナンシャルアドバイザリー)にて、クロスボーダー税務・M&A・海外進出支援・国家プロジェクトなどの実務に従事。セミナー登壇多数。税務・会計・法務の専門的観点から、企業のグローバル展開や経営課題を多面的にサポート。

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